TOP>100年の歩み
明治27年に誕生した創業者の尾崎清信は、東京工大附属高校の機械科を卒業後、家業を継いで理化学機器の製造業を営んでいました。産業界が国産自動車の開発にしのぎを削っていた大正時代に、清信は自動車用メータを製造。国内メーカーのほとんどから注文を受ける一方、陸海軍の指定工場として事業を拡大させました。その後ダイヤルゲージに着目し、昭和8年に国産初のダイヤルゲージの販売を開始したのです。
国産ダイヤルゲージの代名詞とも評される信頼のブランド「PEACOCK」。その由来は、「春風に尾を広げたる孔雀かな」という正岡子規の俳句に由来しています。高等小学校の頃から俳句を趣味にしていた創業者の尾崎清信が、子規の句の清爽なイメージに触発されたことで生まれた商標でした。孔雀の尾の文様のように精緻な製品をつくることで、私たちは社会に貢献していきます。
国産第一号のダイヤルゲージとなったピーコックブランドのDNAを、脈々と受け継ぐ標準型ダイヤルゲージ。80年以上にわたって改良を重ね、進化し続けてきた結果、精密測定器としての洗練を極めています。高精度であることはもちろん、防水性に優れ、ハードな使用にも耐え得る高い強度をもっていることから、多種多様なものづくりの現場で利用されています。
海軍指定工場となっていた板橋工場は、従業員400名超の規模になっていましたが、空襲が激化していたため、昭和20年3月に千葉県の大貫(現千葉工場)へ疎開しました。同工場ではダイヤルゲージをはじめとする測定器を中心に製造するともに、ピクテスト、シリンダゲージ、シグナルゲージなどを次々と開発。戦後日本の工業化の進展とともに、力強く歩みました。
昭和41年に赤坂ヒルトンホテルで、創業50周年記念式典を開催。また千葉工場では創業者・尾崎清信の胸像除幕式を挙行しました。半世紀にわたる尾崎製作所の歴史を寿ぐとともに、次の時代に向けて、社員が一丸となって新しい一歩を踏み出しました。
技術の継承と研鑽に熱心だった創業者は、社員教育にもことのほか情熱を傾けていました。会社独自の教本を作成して新入社員研修で指導していたほか、職種を問わず社員一人ひとりの技術教育のために、継続的に力を注いでいました。
高度経済成長期には自動車や工作機械の分野をはじめ、鉄鋼、電気、化学などの幅広い業種で、当社の測定器が採用されました。当時、産業界のファクトリーオートメーション化の進展を背景に、セミインテバルブ測定器(写真右)、ビデオアッパーシリンダー測定装置(写真左)といった特殊品・装置が工場のライン上に導入されるなど、当社の「測る技術」は、ものづくりの様々な現場で活用されてきました。
大貫工場(現千葉工場)の昼休みの光景(昭和30年代)。広い構内の緑地でくつろぐ社員や、バレーボールに興じる社員などもいました。現在も工場の敷地で定期的に各種親睦会が行われるなど、アットホームな社風は当時とまったく変わることがありません。
目量0.001mmタイプの厚み測定器。精密小物部品、フィルム、特殊繊維などの厚み測定に適した製品です。フレームを持つ手から伝わる体温や気温などによってゼロ点の基準が変わるほど、感度が高い測定器であるため、開発にあたっては金属試験場と連携をとりながらフレームの素材を改良。冷蔵庫にフレームを入れて温度変化による影響を確認するなど、試行錯誤の末に生み出されました。
各種シート、フィルム、人工皮革、ウレタンフォームなどの厚みを計測する定圧厚み測定器です。用途や使用現場に応じて、スタンドタイプ、デジタルタイプ、コンパクトタイプの3タイプを用意しています。数年ごとに変わるJIS規格に合わせてそのつど仕様を改定し、厳しい基準を常にクリアし続けており、その品質は多様なものづくりの現場で信頼を勝ち得ています。
てこ式ダイヤルゲージの代名詞と評されるほど、発売以来長きにわたって愛用されてきた当社のピクテスト。狭い場所での平行度や真直度、回転体の振れなどの測定に便利なゲージであることから、アナログ表示タイプが主力製品となっています。放電加工機用の非通電型Uシリーズ、測定圧を極力おさえたEシリーズ、お客様の保持具に合わせたⅤシリーズなど、豊富なラインナップで多様なニーズに対応しています。
尾崎製作所は1999年にISO9001を取得し、その後2008年版に更新しました。今後も国際基準トレサビリティーに合致した製品づくりを徹底し、信頼のマークPEACOCKのもと、安定的に高品質、高精度な製品をお届けしていきます。
大正5年4月
1916年
(創業者尾崎清信により
理化学機器の製作を目的)
東京都台東区浅草に於いて創業
大正12年9月
1923年
関東大震災に被災し
東京都板橋区中丸町に移転
昭和2年
1927年
国内初のダイヤルゲージ
試作開発に成功
昭和7年
1932年
ダイヤルゲージの量産を開始
昭和8年5月
1933年
PEACOCKの商標登録
昭和14年1月
株式会社に組織変更、
株式会社尾崎製作所とする
昭和15年
1939年
海軍省指定工場・
商工省優良認定工場となる
昭和20年
1945年
本社および工場が空襲で全焼
千葉県大貫町(現富津市)に移転
昭和28年2月
1953年
保安庁(現防衛省)の
銘柄指定工場になる
昭和28年12月
1953年
0.01㎜ダイヤルゲージの
JIS表示許可
昭和32年9月
1957年
0.001㎜ダイヤルゲージの
JIS表示許可
昭和34年9月
1959年
ダイヤル付きノギスの生産開始
昭和36年11月
1961年
シリンダゲージの
JIS表示許可
昭和37年1月
1962年
株式増資により
資本金2,500万円となる
昭和41年5月
1966年
株式増資により
資本金7,500万円となる
昭和44年9月
1969年
本社ビル竣工(5階建)
昭和46年11月
1971年
代表取締役社長に
尾崎英夫就任
昭和48年8月
1973年
株式増資により
資本金1億円となる
昭和49年5月
1974年
関西営業所を開設
昭和50年7月
1975年
墨出しゲージを販売
昭和51年7月
1976年
デジタルリニアゲージを
販売
昭和55年10月
1980年
中部営業所を開設
平成2年5月
1990年
本社ビル竣工(7階建)
平成3年10月
1991年
東北センターを開設
平成10年4月
1998年
代表取締役社長に
尾崎慶人就任
平成11年11月
1999年
ISO9001認証
平成14年4月
2002年
代表取締役社長に
塚越廣就任
平成17年7月
2005年
従業員持株会発足
平成28年4月
2016年
尾崎製作所 創業100周年